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“怪物”駒苫・田中に涙なし/夏の甲子園

甲子園の土を笑顔で集める駒大苫小牧の田中投手
甲子園の土を笑顔で集める駒大苫小牧の田中投手

<全国高校野球選手権:早実4-3駒大苫小牧>◇21日◇決勝再試合

 最後の夏は、マウンドではなく、バッターボックスで終わった。3-4と1点差に詰め寄って迎えた9回2死無走者。駒大苫小牧のエース田中将大(3年)のバットが空を切り三振。3連覇の夢が消えたその瞬間、背番号1はぼうぜんと立ち尽くした。「やり切った気持ちが強い。見逃しではなく空振りで終わったので、悔いはない」。ベンチで号泣する仲間の肩を、笑顔で抱いた。

 前日に165球を投げ、右肩に張りを感じながらも、1点を失った直後の1回2死から先発の菊地翔太(2年)を救援。力勝負ではなく、丁寧にコースをついて打たせて取るクレバーさを見せた。悔やまれるのは6、7回。いずれも2死から「少し甘く入った」という真っすぐを外野へ運ばれ追加点を許した。「抑えるべきところで、抑えられなかった。ピッチャーの僕の責任」と悔しさをかみ殺した。

 大会直前には体調を崩し、38度の高熱にうなされた。さらにフォームを崩して苦しんだが、味方打線に助けられて決勝へ。「一番楽しかったのは、みんなと野球ができたこと。負けはしたけれど、最後にいい試合ができて良かった」。観客もまばらになった球場での胴上げ。仲間の腕で3度、宙を舞った“北の怪物”は、さわやかな笑顔とともに甲子園を後にした。

[2006年8月21日17時46分]

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