ダル貴重な体験生かして
北京五輪アジア予選の取材から12月4日、帰国した。フィリピン戦をのぞけば、韓国、台湾戦とも見どころある展開。さすがに仕事を忘れることはなかったが、試合自体が面白かった。昨年のあまり熱気がないアジアシリーズをのぞけば、国際試合の現場は初めて。日ごろの日本ハム、プロ野球取材ではできない体験をした。
それは21歳にしてチームの、日本代表のエースのダルビッシュもそうだろう。記者の経験と一緒にはできないが今後、さらにレベルアップするためにも、いろいろな体験をしたはずだ。あの台湾戦の一時は逆転となる2ラン被弾。厳しい寒さに、慣れないマウンド。事実、関係者によればマウンドが高くてフィットせず、足、腰にかなり負担が掛かったままの投球だったという。
個人的に思う一番の経験は、さらには球界のトップ選手との呉越同舟の生活だったのではないかと思う。主将のヤクルト宮本、投手キャプテンの巨人上原…。日本ハムにはいないタイプのリーダーシップがある選手の下で長期間、過ごす貴重な時間を過ごした。ダルビッシュは来季4年目とはいえ、名実ともにチームの顔。しかも若返りしている投手陣の中で、将来的に求められていくのがリーダー的役割だ。
あくまで私見だが、現状では人格、性格的には武田久が、周囲の誰もが認めるような立場にいるという空気を取材をしていて感じている。人望も、おおらかさもあるように思う。特に来季は、そうなるだろうと感じる。選手はあくまで個人事業主。周囲との調和だけを図る必要はないが、大黒柱がしっかりしていないと、全体が機能しないことがある。順調にいけば数年後には、ダルビッシュが要職を担うべき存在に、きっとなるだろう。
来年8月には北京五輪の本大会が行われる。順当にいけば選ばれ、またさまざまな体験をするだろう。今回の合宿では同期の西武涌井とほぼ毎日、行動。また同じパ・リーグで世代の近い、ソフトバンク川崎、ロッテ西岡と一緒に食事をするシーンを多く見掛けた。選手宿舎内の生活は分からないが、先輩から吸収すべき部分も多いと思うが、残念ながら今回はそういうシーンをあまり目にすることはなかった。
ダルビッシュも1年ごとに先輩になり、後輩が少しずつ増えていく。自他共に認められるリーダーにふさわしい実績をこれからも挙げていくだろうし、またその「資格」を持つだろう。「球界の至宝」とも呼ばれる才能あふれる選手。日本代表のためにプレーした。それだけではなく、個人的にもすべての面でスケールの大きな選手になるきっかけに、今回の「星野ジャパン」の一員として過ごした時間を生かして欲しい。
(07年12月10日付、北海道HP「ハム番日記」高山通史)