2005年
新人合同自主トレでドクターストップ
大物ルーキーに待ったがかかった。日本ハムのドラフト1巡目、ダルビッシュ有投手(18=東北)は12日、千葉・鎌ケ谷市の球場でスタートした新人合同自主トレに参加した。ダッシュなど下半身を使ったトレーニングになると、チームトレーナーから中止の指示が飛んだ。12月上旬に痛めた右ひざ関節炎のため、無理をさせないという理由から一部の練習メニューから外れた。ダルビッシュ明日14日にも大事を取って再検査を受ける。
100人以上の取材陣がダルビッシュの動きを見守った。午前9時45分、普段通りのポーカーフェイスで登場。柔軟体操、ランニングををこなし、ストレッチを加えたダッシュのメニューに入った。そこで中垣チーフトレーナーからファウルグラウンドに呼び出された。その場で下半身に負荷かがかかるメニューは見合わせるという指示が伝えられた。ダッシュも1本のみ。他の新人選手が走る姿をただ1人、見守った。
実は大物ルーキーは右ひざを痛めていた。昨年12月上旬、東北高の周りのアップダウンの激しい坂道を走った。激しいプロの世界に立ち向かうため、体を作り上げてきた。ダルビッシュは下半身強化のため坂道でのランニングを繰り返し、右ひざ関節炎を発症した。すでに1度、ひざにたまった水を抜いているが、14日にも再検査を受ける予定だ。
練習を止めた中垣トレーナーは「僕がストップをかけました。体のできている社会人とは違う。本人は『全部、やりたい』と言っていました。悔しかったと思う。核磁気共鳴診断装置(MRI)で見る限り、ひざに傷などは見当たらない。慢性化しないようにメニューを組んでいきたい」と説明した。14日の検査の結果を見て今後の調整方法などを考える見通しだ。球団関係者は「特に大変な状況とは聞いていないし、不安視はしていない」と話す。この日、練習を見学した高田GMは「メニューの内容によっては大事を取らせるかもしれない」とコメントした。
練習を終えたダルビッシュは報道陣に対して笑顔で話した。右ひざについても「普通の状態。特に痛いといったことはないです。ゆっくり、焦らず調整していければ」と冷静だった。前日の11日も室内練習場でネットに向かい143球を投げ込んだ。この日の練習メニューも「今日は軽かったかなあと思った。今のところ、高校時代と変わらない。(体力的に)大丈夫ですよ」と話した。
高校時代は「ガラスのエース」と呼ばれた。不運もあった。2年のセンバツ甲子園の開会式後にファンの女性から腕を引っ張られ右脇腹を痛めた。その夏には大会前にオーバーワークで腰を痛めた。肩や両ひざの成長痛、首などいろいろな個所の痛みに悩まされてきた。それだけに、けがに対して焦りの表情はみせない。「練習の中身がこれから濃くなっていくと思うけど、大丈夫です」。周囲の不安をかき消すようにダルビッシュは言い切った。
(05年1月13日付、日刊スポーツ紙面北海道版から)