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管理人から


過去の歩み

2005年

西武松坂破りデビュー2連勝

 怪物ルーキーが、元祖怪物に投げ勝った。衝撃デビューから2度目の登板となった日本ハム・ダルビッシュ有投手(18)が、「平成の怪物」西武松坂大輔投手(24)と先発対決に挑んだ。序盤から制球に苦しんだが立ち直り、7回2失点。打線の援護を受け松坂に投げ勝ち、史上4人目(ドラフト制後)の高卒新人のデビュー2連勝を飾るとともに、チームの連敗を3で止めた。ともに甲子園を沸かせた好投手の激突に、札幌ドームは平日ナイターにもかかわらず3万人を超す大観衆であふれかえった。

 ダルビッシュは2勝目のウイニングボールを惜しげもなくスタンドに投げ入れた。月曜日にもかかわらず今季3番目の3万986人が詰め掛けたスタンドから歓声が上がった。松坂との息の詰まる投げ合い。異様な緊張感からファンも解き放された瞬間だった。

 「相手はすごい投手。1点もやれないつもりで投げた」。気負いはなかった。初回、赤田の打席でプロ入り後、最速タイの147キロをマーク。150キロ台の速球で押しまくる松坂に競り合うかのような立ち上がりも、直球の制球力を欠く。昨年のこの日にはくしくも横浜との練習試合で自己最速の150キロを記録したが、2回からガラリと投球スタイルを変えた。変化球を巧みに使い、3度のピンチも併殺で切り抜けた。5回に同点に追い付かれたが平常心を保った。我慢できなかったのは6歳上の松坂だった。7回、松坂が制球を乱し、押し出しの2点を奪って逆転。18歳が先輩に投げ勝ち、チームの連敗も3でストップさせた。

 松坂との対決に向けて秘策があった。昨年の国体以来投げていなかったフォークだ。「魔球を右打者に使いますよ。フォークです。決め球に使うのは初めてですけど」と試合前に話していた。ブルペンで投げ、感触をつかんだ。7回にはその「魔球」で中島を三振に取る。初先発ではぶっつけ本番でシュート、この日はフォークと幅のある投球を見せつけた。

 才能がその手の中に詰まっている。子供のころブロックやプラモデルで「鍛えた」指先が野球にも生きる。自分で研究したオリジナルを加えると球種は10種類以上。左で投げても120キロ以上の球速がある。それだけではない。左手でカーブ、スライダー、シュート、シンカーなど5種類の変化球を投げることができる。「僕はほかのことは器用ではないんですけど、野球だけはそうですね」。

 これで高卒ルーキーでは4人目のデビューからの2連勝となった。松坂でも達成できなかった記録だ。試合で勝ち、記録でも上回った。ヒルマン監督は「同点ならば8回以降も投げさせるつもりだった。今日は彼(ダルビッシュ)がゲームをつくってくれた。簡単には替えられなかった」と信頼した。

 球界を代表する投手に投げ勝ち大きな白星をもぎ取った。小学6年のときの試合中、松坂のノーヒットノーランの放送をグラウンドで聞いた。「(松坂は)負けていても投げさせてもらえる信頼感がすごい人だと思った。勝てて自信になります」。大きな壁を破った。それも通過点にすぎない。

(05年6月28日付、日刊スポーツ紙面北海道版から)



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