2005年
プロ6戦目で初黒星
日本ハムのダルビッシュ有投手(18)がプロ6戦目で初黒星を喫した。40歳のベテラン吉井との「不敗対決」で、7回を6安打3失点とまずまずの投球を見せたが、味方の援護を得られなかった。この試合からヒルマン監督(42)が復帰したが白星で飾れず、借金は今季ワーストの14に逆戻り。3位オリックスとのゲーム差は「6」と広がり、プレーオフ圏も霧にかすむ状態になってきた。
「不敗神話」は釧路名物の霧とともに消えた。ダルビッシュには痛恨の5回だった。それまでMAX147キロの直球と変化球を織り交ぜ、1安打に抑えていたが突如、制球を乱す。長短打と四球で1死満塁、オリックス阿部真に右前へはじき返された。続く日高の2球目に暴投で2点目を献上するなどこの回3失点。7回までで降板し「そんなに悪くなかったんですが、球が高くなった。やっぱりあの回ですね」と振り返った。
6月15日、広島とのデビュー戦から2連勝。その後の3試合はチームが終盤追い上げて延長戦に持ち込み、18歳の黒星を消してくれた。そんな強運ルーキーの前に、立ちはだかったのは今季無傷で4連勝中の40歳吉井だった。年の差22歳。プロ22年目、大リーグ経験も持つベテランとの投げ合いにも動じなかった。
「大人」の落ち着きぶりを見せたのは初回だ。ワインドアップモーションでバランスが悪いと感じると、走者なしでもセットポジションに切り替えた。投球中に自ら修正するうまさがある。ヒルマン監督は「暴投がもったいなかった。あれがなければ違った展開になっていたかもしれない」と悔やんだ。
この1週間は厳しい移動が続いた。24日、フレッシュ球宴出場のため千葉から宮崎入り。翌日には楽天戦のため仙台に向かった。試合前日の29日には仙台→新千歳空港→丘珠空港→釧路空港と移動。1週間で約3500キロの強行軍に「ちょっと疲れました。眠いっす」と話していた。だが、島崎投手コーチいわく「体力がないとか言われているが、投げる体力は驚くほどある」と、いう隠れたタフネスぶりで7回を投げ、先発の役割を果たした。
65年のドラフト制導入後、高卒ルーキーでは87年の近藤真一(中日)以来4人目となるデビュー3連勝はならなかった。だが、心憎いまで冷静に「あまり、気にしてないです」と言った。自分の成績よりもまず、チームを優先すること。プロ初黒星も、ダルビッシュにとっては通過点にすぎなかった。
(05年7月31日付、日刊スポーツ紙面北海道版から)