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管理人から


連載・怪腕ロード

序章(4)

器用さ生かした8種の変化球

 高校でのデビュー戦は入学して2週間後に早くもやってきた。02年4月20日。仙塩地区の春季リーグ戦の開幕試合、富谷戦だった。成長痛に伴う軽い左ひざ痛があり、ブルペンに入ったのは2回だけだった。7回から登板したダルビッシュは打者10人を被安打2、与四球3ながらも2回を無失点に切り抜けた。「勘を取り戻せなかった」と言いながらもチームは7-0で完勝。この試合で139キロをマークした。

 恵まれた素質-。デビュー戦でもそうだが、その速球に目を奪われがちになる。天から与えられた才能はそれだけではない。「手先の器用さ」「のみ込みの早さ」を併せ持つ。入学から早々に難しいとされるナックルボールを修得してしまう。

 通常のナックルは小指以外の3本の指のつめをボールに立て、回転をかけずに投げる。ダルビッシュの場合はオリジナルだ。あえて人さし指と中指だけを折り畳んで強くはじき、強烈な回転をかける。長身から投げ降ろす角度のあるその球の落差は30センチ以上ともいわれる。チームメートはミドルネームから取り「セファット・ナックル」と呼んだ。

 小さいころからレゴブロックやプラモデル、ミニ四駆作りが大好きだった。ダルビッシュは当時「手先は器用な方です。変化球をすぐ覚えられるのも、プラモデル作りで手先が器用になったおかげかもしれない」と話している。当時東北高の野球部監督だった若生正広顧問(54)の指導もある。同顧問は投手陣に直径10センチ弱の鉄製のボールを2つ渡し、手のひらの中で早く回転させるように指導した。

 現在、カーブ、シンカー、フォークなど8種類以上の球種を持つ。ダイナミックな投球の中にある繊細さと打者への駆け引き。入学してすぐに才能が開花していった。

(04年12月21日付、日刊スポーツ紙面北海道版から)



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