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管理人から


連載・怪腕ロード

序章(5)

先輩高井がくれた「勇気」

 高校に入って初めての夏がやってきた。尊敬するエース高井雄平(20=現ヤクルト)と同部屋での生活は3カ月が過ぎていた。最初は緊張したが、明るい高井の性格がダルビッシュの心を解きほぐしていった。

 野球に取り組む姿勢に影響を受けた。そばで見ているからこそ、発見することもあった。150キロを連発する高井でも勝てない試合がある。ピッチングの幅を広げなければ、勝てないことを知った。

 高井から学んだ投法が鮮烈な夏のデビューにつながった。甲子園に向けた県予選の宮城高専戦に先発。初回の第1球。公式戦最速の141キロを上回る、142キロをマークすると止まらない。先頭打者を直球で三振に仕留めると、2、3番をスライダーで空振り三振に斬って取った。直球が良くても、それに頼らない。球の切れと配球で勝負し、5回を7奪三振、2安打無失点に抑えた。

 そして準々決勝の仙台一戦を迎えた。仙台一は140キロの打撃マシーンを3メートル手前に置き、高井を攻略した。ミスから失点し、0-2で敗れた。尊敬する「日本一左腕」が散った。

 新チームになると高井からエースナンバー「1」を受け継いだ。背番号とともに1通の手紙も受け取った。「エースはチームの最終手段。代わりの投手はいない」と心得が書かれていた。最後には「勇気」という2文字があった。高井が果たせなかった夢、それは甲子園での勝利だった。ダルビッシュは帽子のつばにその言葉を書き込んだ。1年の秋、強い気持ちでマウンドに向かった。

(04年12月22日付、日刊スポーツ紙面北海道版から)



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