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中田翔特集



公約通り!日本ハム中田が場外弾デビュー

5回裏日本ハム無死、中田は左越えに場外本塁打(撮影・黒川智章)
5回裏日本ハム無死、中田は左越えに場外本塁打(撮影・黒川智章)

 怪物が公約通りの弾丸アーチでベールを脱いだ。初の対外試合となる阪神戦に6番DHで出場した日本ハム高校生ドラフト1巡目の中田翔内野手(18)が、左翼場外へと消える推定130メートル弾が、記念すべきプロ初安打となった。1カ月前に「(初戦では)大きいのを打ちたい。弾丸アーチです」と言い放った目標を実現させた。阪神ファンからも「中田コール」が起こるなど、球場全体が祝福。異例のヒーローインタビューまで行われ、5000人の観客は中田フィーバーに熱狂した。

 衝撃の一打はレフトスタンドを大きく越えて、遊歩道手前の芝生で跳ねた。カウント1-3から3球ファウル後の8球目だった。阪神筒井が内寄りに投じた138キロのストレートを振り抜くと、快音が響き、歓声が起こる。まさにはじき飛ばされたようなライナーは、推定130メートルの飛距離を生み出した。

 中田「手ごたえは完ぺきでした。変化球を狙って打てる技術がまだないので、まっすぐだけを狙ってました。フルスイングするしかないと思った」

 直後には阪神ファンからもわき起こるナカタコール。立ち見も出たスタンドにベンチから飛び出して、応える姿はメジャーリーグをほうふつとさせた。「(うれしくて)跳びはねたかったけど、さすがに練習試合なんで」と苦笑いを浮かべたが、約5000人の観衆は「中田ショー」に酔いしれた。

 雰囲気はあった。相手の好捕にあって中直に倒れた第1打席。プロ入り後初めて背中を反らす“カブレラポーズ”を解禁した。

 中田「やって集中しようと思った。(無安打だった紅白戦で)猫背になって、ベースにかぶさるようなフォームになってしまっていたんで」

 緊張で舞い上がることなく、冷静に修正を施していた。ベンチに帰ると、ダッグアウト裏にあるテレビのスロー映像でフォームの確認まで行っていた。

 野球に対してはどこまでもマジメだ。初めての三塁守備に戸惑いを感じ、宿舎の廊下では内野のフォーメーションの確認を繰り返す。また高校時代とは比べものにならない数のサインプレーを覚えるため、先輩の植村に講師をお願いして、テストしてもらうこともあった。

 体は相当疲れている。キャンプ初日に、寝坊しそうなところを隣室の宮西に起こしてもらったため、2日目は意地を見せて先に起こしに出向いた。ところが食事後、再び睡魔に襲われる。部屋から出てこないことを不思議に思った宮西が中をのぞくと、ユニホームを着て帽子をかぶったまま、いすで眠っていた。初めての野球漬けの生活。バテない方がおかしい。

 中田「これからピッチャーのレベルも高くなると思うし、しんどくなっていくと思う。でも今日みたいに思い切り振っていければいいです」

 これはまだ序章にすぎない。怪物が我々に与えるインパクトは、こんなものでは終わらない。【本間翼】

 ◆清原和博(PL学園-西武)86年3月1日、広島とのオープン戦(春野)に7番・一塁で先発し、2打数無安打。オープン戦は14試合(45打席)でノーアーチ。1号は4月5日の公式戦2打席目に藤本修(南海)から放った。

 ◆松井秀喜(星稜-巨人)93年2月28日、ヤクルトとのオープン戦(宮崎)に7番・左翼で先発し、3打数無安打。1号はオープン戦18試合(54打席)教育リーグ(5打席)セ・トーナメント(3打席)で出ず、イースタン開幕戦のヤクルト戦(4月10日)で伊藤智から、対外試合通算66打席目で飛び出した。

[2008年2月11日 紙面から]



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