ベンチ…日本ハム中田が人生“初”屈辱

- ベンチで目をこじ開けようとする日本ハム中田(撮影・黒川智章)
指揮官から“愛のムチ”が入った。日本ハム高校生ドラフト1巡目の中田翔内野手(18=大阪桐蔭)が21日、韓国・SKとの練習試合で、実戦8試合目にして初めてスタメンを外れた。6回の守備から途中出場したものの、唯一の打席は遊ゴロで、9打席連続無安打となった。梨田昌孝監督(54)からは、定位置取りへは積極的な姿勢が必要と促された。その言葉をかみしめるよう、試合後は居残りで初のロングティー打撃を行い、復調へ向けた。
当たり前になっていた光景が一変した。中田の名前が、初めてスタメンから消えた。梨田監督は「僕自体は普通の判断をしていると思う。(定位置を)自分でつかみ取るというのが欲しい。競争の世界ですから」と説明した。蓄積された疲労を考慮した部分はあるものの、レギュラー取りへ奮起を促す意味が込められていた。
衝撃のデビュー弾で実戦スタートを切ったものの、ここ2試合連続無安打。この日は6回の守備から出場も、唯一の打席となった7回2死一塁の場面も、ツーシームを引っかけて遊ゴロに倒れた。自己最長の9打席無安打に、同監督は「スタメンを外れてもおかしくはない。ジョーンズも打っているしね」と厳しい言葉を並べた。
“人生初”ともいえるベンチスタート。「高校時代は控えなんてなかったから、何をしたらいいか分からなかったんじゃないか」と指揮官は振り返る。慣れない舞台で先輩たちのように大声も出せず、常にグラブを身につけ、戸惑いは隠せなかった。エリート街道を歩んできた怪物にとって、屈辱ともいえる状況に、頭の中は悔しさでいっぱいだった。
試合後すぐにマシン打撃用テントに移動し、約45分の打ち込み。球場に戻ると今キャンプ初のロングティー打撃で137スイングをこなし、通常のティー打撃も行った。すべて自ら判断しての行動だった。精根尽き果て、予定されていた会見は初めてドタキャンしたが、帰りの車に乗り込む際には「(居残り練習の)手応えはよかったです。(打球に)角度も出ていたし」と復調への自信ものぞかせた。
スカウト時代から中田を見てきた中島打撃コーチは「初めからうまくばかりいくと、あいつはなめくさるから。ちょうどいいんじゃない?」とあえて厳しい言葉を投げ掛けた。ただそれも期待が大きいからこそ。壁は自ら乗り越えてくれることを、皆が待っている。【本間翼】
[2008年2月22日 紙面から]
