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日本ハム・ダルビッシュが故郷で復活劇

ジェット風船バックに投球練習する日本ハム・ダルビッシュ(撮影・黒川智章)
ジェット風船バックに投球練習する日本ハム・ダルビッシュ(撮影・黒川智章)

<日本ハム4-1阪神>◇18日◇甲子園

 もう1人の「甲子園の主役」が聖地で長いトンネルから抜け出した。日本ハムのダルビッシュ有投手(19)が4月6日のソフトバンク戦(東京ドーム)以来の2勝目を挙げた。1勝目から5戦3敗と好調投手陣で1人、不振が続いた。「つらかったです。ここ(1軍)にいて、いいんかなって思った」とつぶやいた。

 04年8月以来、甲子園に帰ってきた。「いやー(甲子園の印象は)普通です」と口では言った。しかし、体は東北高時代に7勝を挙げた懐かしのマウンドに反応していた。初回、藤本の2球目に今季最速の147キロをマーク。3回、シーツに中前打を浴びて1点こそ献上したが要所を締め、7回を投げ切った。5回には、新庄からもらった打撃用の手袋で、プロ初の左前安打を放った。「読み勝ちです。新庄さんのおかげで打てました」と口調も滑らかだった。

 「甲子園のスター」へのあの1球で、大きなショックを受けた。一時はユニホームを脱ぐことも考えた。4月20日のオリックス戦、清原との初めての対戦で左手小指に死球を与えた。骨折の可能性もあった。その夜は眠れなかった。翌日、苦しい胸の内を吐露した。

 ダルビッシュ「清原さんがこれで野球ができなくなるようなことがあれば…、自分は今年で野球をやめよう。あれだけの人の野球人生を奪ってしまうのであれば…。打席の後ろに立っている人にコントロールミスで当てた。死球は人生を左右させてしまう。今の自分の実力は…、プロ失格だ」。

 清原の診断結果を聞いても気持ちは安らぐことはなかった。右肩痛も完治しなかった。痛み止めを飲んでの登板もあった。ルーキー八木が、同期の橋本は勝ち星を重ねた。1人蚊帳の外だった。札幌の寮で夜、ウエートトレを続けた。何度もフォームをチェックした。関連する本も読んだ。相手のイメージを常に頭に入れ、勝利だけを考えた。

 1勝は良薬だ。「強力打線を抑えることで自信になった。今年は優勝できると思う。1カ月分、取り戻します」。19歳の不敵な笑み、ダルビッシュ「らしさ」が戻ってきた。【上野耕太郎】

[2006年5月19日9時0分 紙面から]

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