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日本ハム新人の八木がプロ初完封で5勝目

- プロ初完封をマークした日本ハム八木(撮影・前岡正明)
<日本ハム6-0広島>◇19日◇広島
このルーキー左腕は打たれない! 日本ハム八木智哉投手(22=創価大)が広島戦に先発し、無四球でプロ初完封勝利を挙げた。9回表の攻撃途中に降雨コールド。八木は新人王レースで4勝で並んでいたオリックス平野佳を抜いて5勝目、防御率も1・68と肉薄した。この日行われた4試合はすべてパ・リーグが勝ち、依然として上位4チームが1ゲーム差にひしめいている。
八木が、雨空を見上げてなぜかしかめっ面だ。土砂降りの雨を避けて歩く、広島市民球場のベンチ裏通路。バスへ乗り込むまでにポツリと、みけんにしわを寄せながらつぶやいた。「初めての完封だったので最後まで投げたかった…」。9回表1死で攻撃中の午後8時45分に雨天中断。その4分後に降雨コールド、ゲームセットが宣告された。
8回でも記録上はれっきとした完封。だが“9回”にこだわるほどの快投だった。初回1死から嶋に中前打を許したが、栗原を三ゴロ併殺。2回以降3イニングは3者凡退とピッチを上げる。スクリューボールを決め球に8回をわずか84球で4安打無失点。1失点でプロ初完投勝利を挙げた前回12日横浜戦に続く、2戦連続の無四球完投。新人らしからぬ離れ業で、5勝目を挙げた。
雨に泣きそうになり、最後は雨に笑った。調整法は、登板3日前から2日連続でブルペン入りする独自スタイル。不動のエースだった創価大時代にリーグ戦で1戦目先発、2戦目救援など連続登板はざらだった。実戦で培ったやり方をプロでも継続。ダッシュや長距離などの走り込みの種類、量を登板日まで逆算する綿密なプランを練っている。この日の試合前は雨天中止の可能性があった。スライド登板は「調整が難しい」と困惑していたが、幸運なマウンドがめぐってきた。
しかも同日の阪神戦に先発予定だったオリックス平野佳が雨天中止。4勝で並んでいた新人王争いを抜け出すチャンスを生かした。「気持ちが切れた面があったけれど、立て直せた」。大学時代の寮生活では車の運転禁止など厳しい寮則の中で生活してきた。携帯電話も深夜になればロッカーへ保管されるほど。4年間を乗り切った強い精神力に、空も味方してくれた。
自身4連勝で防御率は1・68。パの規定投球回数到達者で2位に浮上した。トップで1・64の平野佳に肉薄。「お互いに刺激し合っていければいい」。幻の快挙となった「延長10回無安打無得点」を達成し、有名になったルーキーにやっと運も向いてきた。ロッテと並ぶ首位タイをがっちりキープ。「1戦1戦抑えるごとに自信はついているけど、完ぺきな試合はない」。まだまだ控えめな八木が見せている力に、運、不運は関係なくなってきた。【高山通史】
▼八木がプロ初完封で5勝目を挙げた。12日横浜戦に続く無四死球完投で、今月の八木は24イニングを投げ与えた四死球が1個しかない。
この日は4安打に抑え、八木の被打率は204打数39安打の1割9分1厘。規定投球回に到達して被打率1割台の投手は、八木のほかに川上(中日)1割7分2厘、佐々岡(広島)1割9分4厘、斉藤和(ソフトバンク)1割9分4厘の3投手だけだ。川上には及ばないものの、パ・リーグでは八木が最も打ちにくい投手だ。
[2006年5月20日9時2分 紙面から]
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