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日本ハム・ダルビッシュ11K完投&11連勝

6回表、打ち取りガッツポーズする日本ハム・ダルビッシュ(撮影・黒川智章)
6回表、打ち取りガッツポーズする日本ハム・ダルビッシュ(撮影・黒川智章)

<プレーオフ第2ステージ:日本ハム3-1ソフトバンク>◇11日◇札幌ドーム

 日本ハム・ダルビッシュ有投手(20)が、大きな1勝をもたらした。「開幕投手」に起用された2年目右腕は、初回に1点先行を許すも、気合の入った投球を続けた。最後の打者大村を150キロ直球で空振り三振で仕留める7安打1失点完投、11奪三振の力投。レギュラーシーズンからの連勝も11に伸ばした。今日の第2戦は、これまたソフトバンクに強いルーキー左腕八木が先発。一気の地元胴上げへ、準備は整った。

 20歳の右腕は、細い体に無尽のスタミナを蓄えていた。9回2死二塁、カウント2-1。ダルビッシュが大村にこん身の1球を投げ込んだ。「最後は直球に決めていた」。138球目、150キロの真ん中で決めた。空振り三振。ガッツポーズとともに、4万を超えるファンから大歓声が起こった。

 初の「開幕投手」にも大胆不敵だった。「いつもと違うかなと思っていたけど、不思議と自然に行けた」。初回に松中の犠飛で1点を与えたが立ち直った。外角を狙われていると察知し、すぐさま内角攻めに切り替えた。3者凡退は7回だけだったが要所を締めた。9回1死から安打を許すとヒルマン監督がマウンドに向かったが「何を言われたか覚えていない。自分の世界に入っていた」と苦笑い。2点目を与えることなく最後まで投げきった。

 強力救援陣の温存にもつながる、完投勝利。ヒルマン監督は「大観衆でおくすることなく、それに興奮して投げることができる選手だ。何度か代えようと思ったが出来が良かったので投げさせた」と最大級の賛辞を送った。仮に第4戦にもつれ込んだ場合、中3日で先発の可能性も高い。

 初回に松中に対して計測した151キロは、自己最速。心身ともに成長が加速する。少年時代からその才能で期待されながら、優勝経験はない。東北高2年夏の甲子園も準優勝。日本一に飢えている。9月24日のロッテ戦後、金村がヒルマン監督を痛烈に批判し、チームが崩れそうになったとき、ダルビッシュはざわめく取材陣に頭を下げた。「書かないでください」。精神的にムラがあると言われ続けたダルビッシュは大人の顔になっていた。

 新庄からも「教育」を受けた。「その服はダメ」「襟足が長いよ」と服装や頭髪までチェックされた。無頓着だった洋服も買いに出掛けるようになった。同期で2軍の鵜久森は9月末に久しぶりにダルビッシュと会って、驚いた。「あいつ、プロらしくなったわぁ」。

 シーズン1位で経験したビールかけを、もう1度したい。「普段クールな人のはしゃぎっぷりも面白かった。小笠原さんとか。見ていて楽しかった」と言う。お立ち台で「チームは札幌で優勝したかったので最高」と、この1勝の意味を口にした。【上野耕太郎】

 ▼ダルビッシュが11三振を奪って完投勝ち。現行のプレーオフで完投勝利は、06年第1ステージの第1戦で完封した松坂(西武)に次いで2人目だが、松坂はプレーオフ通算5試合目の登板で記録。プレーオフ初登板で完投勝利は、前後期優勝チームが対戦した時代の75年第2戦山口(阪急)81年第3戦間柴(日本ハム)に次いで3人目だ。

[2006年10月12日9時15分 紙面から]

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