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日本ハム金子洋初スイング弾/オープン戦

6回裏日本ハム無死、金子洋は右越えにソロを放ちベンチへ(撮影・黒川智章)
6回裏日本ハム無死、金子洋は右越えにソロを放ちベンチへ(撮影・黒川智章)

<日本ハム7-4横浜>◇24日◇名護

 豪傑ルーキーは本物だ。日本ハム大学・社会人6巡目の金子洋平外野手(25=ホンダ)が、鮮烈デビューを飾った。6回、代打での初打席、カウント1-0からの初スイングで右中間最深部へ本塁打。オープン戦チーム1号、実戦3本目のアーチをかける離れ業をやってのけた。実戦9戦で26打数11安打9打点と大爆発中。攻撃力低下が不安視されていた昨季の日本一チームに、救世主誕生の予感が漂ってきた。

 ひなたぼっこを楽しんでいた右翼芝生席のファンは、驚いたに違いない。金子洋がたったひと振りで、のんびりムードの南国・名護の空気を切り裂いた。6回、DHセギノールの代打で登場。初球を見逃し、カウント1-0からの2球目だった。横浜岸本の外角やや高め144キロ直球。「打球方向はボールに聞いてくれって感じ」。フルスイングで右中間最深部へ押し込んだ。ノッシノッシとマッチョ体形を揺らしてのダイヤモンド1周が、新しい球春到来の証しだった。

 ポスト新庄候補の1人との期待通り、またも見せ場で強烈に輝いた。代打でのオープン戦初打席、初スイングでの1発。8日のプロ初実戦の紅白戦で左翼場外弾で仰天デビューし、この日再現VTRのような初舞台を演出した。バックネット裏で快音を聞いた瞬間、日ごろは冷静な高田GMが「大したもんだ。結果を出すんだから」と少し腰を浮かせたほど。首脳陣からの絶賛の嵐にも「たまたま結果がホームラン」と平然と言ってのける度胸も、また新人離れしていた。

 昨秋のドラフトで「一芸選手」としてチャンスをつかんだ。社会人2年目の05年オフに右ひじを手術。昨夏の都市対抗で3本塁打などパワフルな打撃はプロレベルだったが、他球団からはスローイング難を理由に獲得を見送られた。日本ハムもギリギリまで検討し、最終的に手薄な右の大砲タイプを理由に獲得を決めた。最短なら社会人2年目でプロ入りできるが、3年目で下位指名。視察した中日善村スコアラーを「あれで6巡目なの? すごいね」とうならせた秘蔵っ子だ。

 高校時代もほぼ無名。母校の国士舘と同じ東東京のライバル帝京の主将で1学年上が、森本だった。高卒でプロ入りしたひちょりを「すごく打つし、足が速い選手だなと思って見ていた。ああいう選手がプロに行くんだな」。そんな一目置いていた存在と同じ土俵で、現時点でポスト新庄の座を争うところまでのし上がった。「与えられたチャンスをきっちりものにすることしか考えていない」。結果を残し続け、一気にレギュラー候補へ名乗りを上げた。

 打撃同様の豪快キャラクターでスター街道もばく進中。淡口打撃コーチが「本塁打で(スポーツ紙の)1面だね」と認める天真らんまんさで、すでにムードメーカーの1人だ。キャンプに入ってからも大好きな晩酌を楽しみ気分転換。昨年末には高校の同窓会に出席し、長兄裕介さん(31)からプレゼントされた大切なメガネを「酔っぱらいすぎてなくしちゃいました」とハプニングも笑い飛ばす大きな心で、猛アピールしている。177センチ、83キロという堂々としたマッチョ体形の豪傑ルーキーの存在感は、日増しに大きくなってきた。【高山通史】

 ▼オープン戦で新人の初打席本塁打は、昨年2月26日川島(日本ハム)がヤクルト戦で記録して以来。80年以降では10人目になる。過去9人の公式戦を見ると、83年二村(日本ハム)84年小早川(広島)は2ケタ本塁打で新人王に輝いたものの、最近は本番でいまいち。昨年の川島は初打席サヨナラ本塁打という派手なデビューだったが、公式戦では本塁打を打てなかった。今年の金子洋は?

[2007年2月25日9時6分 紙面から]

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