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敗戦も日本ハム陽がプロ初安打で光照らす

- 5回裏日本ハム2死、陽は安打を放つ(撮影・黒川智章)
<日本ハム1-3ロッテ>◇25日◇札幌ドーム
胸の前で、右手で十字を切った。日本ハム陽仲寿内野手(20)が、札幌ドームの「空」へ感謝の思いを届けた。3回2死。久保の初球を右翼線へ運ぶ二塁打だ。札幌ドーム初打席、プロ4打席目での初安打。二塁ベースへ到達すると、米ジャイアンツ・ボンズでおなじみのあのポーズだ。「おばあちゃんに感謝しようと」。台湾ではキリスト教の教えで育ったクリスチャン。大歓声の中で1人、静かに祈りをささげた。
2軍戦では本塁打時にしか行わなかった。昨冬、日本ハムにドラフト指名された約2週間後、陽の祖母の曽阿花さんが急逝した。その祈りは、次打者の森本へ通じたのか。直後の中前打で、一時は同点とするホームを踏んだ。「今日は勝てると思った。ひちょりさんが打ったので…。勝ちたかった」。
一番の願いはかなえられなかったが、日本ハムファンを一瞬、現実逃避させた。5回の第2打席も初球打ちで、詰まりながら左前へ運んだ。金子誠の右ひざ痛で巡ってきた、2戦目のスタメン出場。プロ初出場で先発した20日ソフトバンク戦以来のチャンスに、試合前から予感はあった。「ここは東京ドームと違う。何か打てる気がするんです」。自分の力で結果を出し、予言者になった。
打線は7安打で1得点と沈黙して、11連敗した05年6月の交流戦期間以来の6連敗。借金は「8」に膨らんだ。「これからも積極的に使っていきたい」。ヒルマン監督は2年目スター候補に、期待を込めた。初安打のボールはロッテ西岡の心遣いで手元に届いた。「うれしいです。取って置きます」。神懸かり的な巻き返しがAクラスへの必須条件になりそうな苦しいシーズン序盤。陽が放つ光が、迷走して先が見えない07年の行方を明るく照らす可能性はある。【高山通史】
[2007年4月26日9時18分 紙面から]
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