第5戦日本ハム・ヒルマン監督レンジャーズ濃厚

- お立ち台でNO・1ポーズのヒルマン監督(撮影・黒川智章)
日本一のドリームチームが「解散」する可能性が出てきた。日本ハムのトレイ・ヒルマン監督(43)が古巣のレンジャーズから監督のオファーがあった場合、日本ハムを退団することが26日、濃厚になった。シリーズ終了後にもレ軍関係者と電話での面談を行う予定だ。優勝監督が流出する事態に発展しそうだ。
レ軍の後任監督候補として名前が挙がっているヒルマン監督の退団が急浮上した。チーム関係者は米球界復帰について「かなり本気のようだ」と明かす。10月に入り日本ハムと来季に向け、話し合ってきた。年俸などは基本的に合意に達していたが、ここにきて風向きが変わってきた。レ軍はシリーズ終了を待ち、ヒルマン監督と電話面談を行う予定。レ軍から正式オファーがあった場合、日本ハム退団が濃厚になった。
ヒルマン監督にとってもメジャーでの監督業は、指導者としての夢でもある。01年オフから2年間、レ軍で選手育成部長を務めた。本拠地アーリントンに住み、子供のころから熱心なファンでもあった。すでにレ軍公式サイトの取材に「(レ軍の監督は)特別なことだ」「レ軍にかかわる仕事をぜひやりたい」「レ軍での優勝? 私はそのことにチャレンジしてみたいという気持ちはある」と漏らしている。
日本で成功したヒルマン監督の評価も急上昇している。会見で「北海道の子供たちがファイターズにあこがれるように(地元のレ軍ファンになるのは)必然的な流れ」とコメントしたこともある。レ軍公式ホームページでのアンケートでは約7割の支持を集めるなど、がぜん注目を集めている。
レンジャーズのダニエルズGMは「電話会談」でヒルマン監督の招へいに動く。レ軍公式ホームページは25日、後任監督の一本化が大詰めに入ったと伝えた。候補5人のうち、ヒルマン監督とワカマツ・ベンチコーチとの面談を残すだけとなっている。ただ日米で距離が離れており、アジアシリーズを控えて日程的にもヒルマン監督との直接会談は難しいため、同GMは「顔を合わせるのは難しいが、電話ならインタビュー可能だ」と近日中にも交渉を始めたい意向を明らかにした。
プレーオフ前の6日、メジャー監督就任について会見の中で完全否定した。報道陣には「これを機会に、このような質問にはお答えできません」と通達。今後、この件についての取材は受けないとしてきたが、シリーズが終了し、去就問題は過熱しそうだ。米球界からのオファーがなければ日本ハム残留の可能性も残るが、この時期での退団という事態になれば、リストアップや組閣などが大幅に遅れることは必至。44年ぶりの日本一を手にした日本ハムにとって不測の事態となる。
◆トレイ・ヒルマン 1963年1月4日、米テキサス州生まれ。85年から3年間、インディアンスのマイナーで内野手としてプレーしたがメジャーに上がることなく引退。88年イ軍スカウト、89年ヤンキースのマイナーコーチを経て、90年から3年間、ヤ軍傘下1Aから3Aまで球団の監督を務める。02年にレンジャーズの選手育成部長。03年から日本ハム監督。家族は夫人と1男1女。
[2006年10月27日付紙面から]