異例の単独ポスター
<決戦10・11内藤vs大毅>
WBC世界フライ級タイトルマッチが11日、東京・有明コロシアムで開催される。苦労人の王者内藤大助(33=宮田)に、同級14位の亀田大毅(18=協栄)が挑む。両者はキャリア、境遇、年齢、そしてファイトスタイルとすべてが対照的で、亀田兄弟初の日本人対決としても注目される。10日に迫ったこの一戦を1日から「決戦」と題し、両陣営のリング内外の戦いに迫る。第1回は異例の分離営業です。
内藤-大毅戦には2人でポーズを取った定番の宣伝ポスターがない。各陣営がそれぞれ単独で写ったポスターを独自製作した。王者は「国民の期待に応えます!」、挑戦者は「亀田伝説 夢の始まり(2章)」。ポスターには別々のタイトルが添えられた。
異例の2枚のポスターは、両陣営の激しい敵対心の表れでもある。2年前に日本王者だった内藤が、亀田兄弟の父史郎氏から「6回戦レベル」と格下扱いされた。以来、メディアを通じた舌戦を展開してきた。今も内藤は亀田一家から「ゴキブリ」とさげすまれている。決戦前から両陣営は一触即発だった。試合まで接触を回避するため、最終交渉の段階で、別々のポスターを製作する方針が決まった。協栄ジムの金平桂一郎会長は「変に絡むともめる原因にもなる。互いに納得済みです」と説明した。
世界戦を中継するTBSは、これまで亀田兄弟の試合を独占してきた。新名宏次プロデューサーは「我々は興行主の協栄ジムの方針に従う」と「亀田伝説 夢の始まり(2章)」のタイトルをテレビ放送にも使用する。しかし、内藤陣営も黙って見ているわけではない。試合当日には、「国民の期待に応えます!」のタイトルを入れた独自のパンフレットを無料で1万枚配る。テレビをバックにつける亀田陣営に対して、アンチ亀田ファンを味方につける戦略だ。
営業面でも対照的な戦いを展開中だ。亀田陣営は世界戦の日程が描かれた縦2・5メートル、横5メートルの看板を搭載した大型トレーラーを使ってPRしている。知名度を最大限に生かす。一方、内藤の所属する宮田ジムは興行主の協栄ジムから分配された約1500枚のチケットについて「買ってくれた方には応援タオルなどの記念品も用意しています」(宮田会長)。日本人対決はファンの声援が判定にも微妙に影響する。リングの戦いを前に、陣営の戦いは早くもヒートアップしている。【バトル取材班】
[2007年10月1日 紙面から]
