「大物食い」で「弱小」脱皮へ
<決戦10・11内藤vs大毅>
内藤大助-亀田大毅戦は、弱小ジムと大手ジムの戦いでもある。大毅を擁する協栄ジムは世界王者11人を輩出した名門で5社のグループ企業を抱える。一方、宮田ジムは内藤が初の世界王者で、ジムのスタッフもトレーナーを含めて8人。宮田会長は「協栄ジムがベンツなら、ウチは軽自動車ですから」と笑う。
今回の世界戦で、そのジムの格の違いが、あからさまになった。協栄ジムの金平会長が興行主となったため、テレビ局の選定や日程、さらにグローブの選択まで、すべて挑戦者側が主導権を握った。推定3億円といわれる興行収入のうち、宮田ジムの取り分は3分の1。その差は選手の報酬の差となるため、王者と挑戦者が逆転している。
ジムの格差は世界戦へ向けた練習環境にも表れている。大毅は8月に世界レベルのスパーリングパートナーを求めてメキシコで合宿。帰国後は大阪でもあらゆるスタイルのパートナーを集めて実戦練習を積んだ。一方の内藤は自宅から往復3時間かけて都内のジムで出げいこを重ねている。いまだにジムの月謝1万500円を払い続けている。
もっとも今回の世界戦は宮田ジム側から、協栄ジムへオファーを出した。興行を含めたあらゆる面で主導権を握られることも想定した上で、勝負をかけた。挑戦者「亀田」の知名度を利用して、企業回りを続けて、わずか10日で約1000枚のチケットを売った。USEN、楽天など約300社の企業が加盟する日本ベンチャー協議会のバックアップも取り付けた。
宮田会長は言う。「注目度の高い亀田選手に勝てば、内藤はもちろん、ジムの知名度もアップして、勢いがつく」。王座防衛とともに弱小ジムからの脱皮も狙っている。【バトル取材班】
[2007年10月2日 紙面から]
