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鈴井貴之W杯観戦記「サポに終わりなし」

- スタジアムで日本代表ユニホームを着て観戦する鈴井貴之氏
夢を見させてもらった。前半34分、玉田の先制点で、奇跡が起こるのではないかと感じた。奇声を上げて応援していた陽気なブラジルサポーターを黙らせたゴール。落胆の色を隠せず、うつむいてしまった者もいた。それだけインパクトがあった。だが日本は前半ロスタイムに失点し、終わってみれば4失点。ガッカリというよりは、これが世界トップレベルとの差。球を持ったときのスピードなど格が違った。
ウェストファーレン・スタジアム(ドルトムント)のスタンド正面上段から見ていて、一番動いていたのは中田英だった。W杯に対する並々ならぬ思いを感じた。そんな日本の中心的存在も、海外では試合の出場機会は少ない。中村だってスコットランドリーグと、世界のスターが集まるリーグで活躍している日本人はいない。単純に個人技の決定的な差。日本人は集団意識が強く、固まりになれば、神風が吹くかも…と期待していた。それは簡単なことではないことを痛感した。
今後、日本の選手は個人レベルの技術向上のため、海外に出て武者修行をして欲しい。私も04年秋から約10カ月間、韓国で映画修行をした。日本ならば契約や製作費、役者の日程などを考え、妥協点を持って製作しないと前には進まない。だが韓国では100点に近づけるため、70点では決してOKにはならない。製作費がなくなれば一時中断し、資金調達に動く。意識が違う。日本の選手も違う環境でプレーすれば衝撃を受け、刺激をもらう。それは絶対に自分のためになる。
2010年は無理な選手もいるだろうが、サポーターに終わりはない。次の大会に向け、一生サポーターをやる。力いっぱい声援を送る。試合後、背中に「South Africa 2010」と書かれたTシャツを着ていたサポーターがいた。4年後の戦いはすでに始まっている。(おわり)
◆鈴井貴之(すずい・たかゆき) 1962年(昭和37)5月6日、赤平市生まれ。90年劇団「OOPARTS」を結成。同劇団解散後、北海道テレビの深夜バラエティー番組「水曜どうでしょう」に出演し、大泉洋らとともに活躍。01年「man-hole」で映画監督デビュー。「river」(03年)「銀のエンゼル」(04年)は全国公開された。
[2006年6月24日9時1分 紙面から]
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