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室蘭大谷が4年ぶり奪冠/高校サッカー

室蘭大谷FW宮沢(中央)は先制点を奪い、歓喜のポーズ
室蘭大谷FW宮沢(中央)は先制点を奪い、歓喜のポーズ

<全国高校サッカー選手権北海道大会:室蘭大谷2-0登別大谷>◇最終日◇22日◇札幌厚別公園競技場◇決勝

 名門室蘭大谷が復活した。登別大谷を2-0で下し、4年ぶり29度目の優勝を果たした。エースFW宮沢裕樹(2年)が、前半10分に先制点を挙げれば、後半29分にもオーバーヘッドで追加点を奪い、全得点をたたき出した。昨年まで3年連続で全国出場を逃したが、OB会、室蘭協会などサッカーの町室蘭の総力を挙げての支援に応え、低迷期を乗り越えた。全国大会は12月30日から、東京・国立競技場ほかで開催される。

 我を忘れるほどの感動が、室蘭大谷イレブンの全身を駆けめぐった。控え選手がスタンドからピッチになだれ込む。熱い抱擁を交わすその横では加藤栄治監督(49)が何度もガッツポーズを繰り返した。「4年間、苦しかった。いろんなプレッシャーがあった」。加藤監督は思わず声を詰まらせた。苦しく長い低迷期を乗り越え、名門がよみがえった。

 全国へ導いたのはエース宮沢だった。前半10分に左足で押し込み、まず先制。後半29分には、右クロスに反応し、サッカー人生初のオーバーヘッドで試合を決定づける2点目を挙げた。21日の準決勝は右足首痛のため欠場したが、痛み止めの注射を打って強行出場。「(2点目は)興奮していて覚えていない。最高ですね」。今大会3試合で5得点。得点王にも輝いた。

 昨年、北海道予選初出場の68年から初めて3年連続で全国出場を逃した。道内最多の優勝を誇る強豪校のプライドは傷つけられた。「時代は終わった」「古豪は終わった」。雑音は関係者に容赦なく聞こえてきた。及川真行コーチ(32)は「周りから老けたね」とも言われた。

 800人を超えるOBも危機感を募らせた。「強い室蘭大谷を取り戻す」。思いは1つだった。今年4月から滝谷勲事務局長(38)らを中心に、OB名簿を作成。当初、連絡先は数十人しか把握できなかったが、その数は現在、700人以上。前回出場の02年は寄付金30万円前後しか集まらなかったが、すでに100万円集まった。室蘭サッカー協会も芝ピッチの室蘭入江陸上競技場を積極的に貸した。

 全道対策もぬかりなかった。室蘭入江に加え、北海道電力江別サッカー場などに足を運んだ。例年なら週1度程度だった芝ピッチを多いときで週4回使用。ボールスピードの速い芝に体を慣らした。FW樋渡英之(3年)は「室蘭大谷は室蘭大谷。勝たなければいけない」と言う。周囲の支援、チームの準備が整った先に栄冠が待っていた。

 昨年、北海が2連覇を果たすまで4年間、毎年代表校は変わった。北海道は群雄割拠の様相を呈していたが今季、チームは全道高校新人戦、全国高校総体道予選を制覇。再び室蘭大谷時代を迎えようとしている。全国でその名を刻み、名門復活を本物にする。【長島一浩】

 ◆室蘭大谷と全国高校選手権 過去26度出場し、通算50試合で24勝26敗。初出場は70年度大会。5度目の出場となった74年度大会の1回戦で報徳(兵庫)をPK戦(3-2)で下したのが初勝利。最高成績は78年度の準優勝。86年度には4強入りしている。ベスト8入りした98年度大会の3回戦で金光一(大阪)と対戦したのが最後の勝利(3-3からPK戦5-3)。最近の出場は02年度大会で、1回戦で滝川二と対戦。0-0からPK戦2-4で敗れた。

[2006年10月23日9時29分 紙面から]


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