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モーグル多英、金コーチ二人三脚で復活へ

練習の合間に談笑する里谷(左)とラハテラ新コーチ
練習の合間に談笑する里谷(左)とラハテラ新コーチ

 フリースタイルスキー・モーグル女子の里谷多英(30=フジテレビ)が、新コーチの下で「復活」に懸ける。20日から全日本の合宿が、福島・猪苗代でスタート。里谷が1年ぶりに強化指定選手として参加した。今合宿から、02年ソルトレークシティー五輪金メダリストのヤンネ・ラハテラ新コーチ(32)も合流。同コーチは、10年バンクーバー五輪での里谷のメダル獲得の可能性も示唆した。

 里谷とラハテラ新コーチは、練習の合間に何度も会話を重ねた。約3時間の練習時間のうち、合わせて1時間ほど。94年のリレハンメルから3度、同じ五輪の舞台に立った。「長年、一緒にやってきて年寄りの気持ちも分かるんじゃないですか」。そう笑いながら信頼を寄せた。

 悩んだ末の現役続行だった。昨季はトリノ五輪で15位、W杯でも1度も表彰台に立てなかった。昨年2月の泥酔騒動により強化指定も外れていた。五輪終了後から「引退」の2文字が頭から離れなかった。「この4年間、挫折の連続だったので五輪の順位はあんなもの。しょうがないですけど」。「五輪の申し子」も今年30歳。年齢による体力の衰えも感じていた。

 現役続行か否か、決断を迫られていた5月初旬に、友人からある曲を勧められた。ゆずの「栄光の架橋」。04年のアテネ五輪で頻繁に耳にした曲が、琴線に触れた。「選手の心情をよく表していて、後押しされた」。1週間ほど後に連盟に現役続行の意思を伝えた。今季は強化指定で最低のCからのスタートとなった。

 「エアに可能性が残っている限りやめられない」。ターンに強さを発揮する里谷にとって、エアの向上は最優先課題。昨季はフロントフリップ(前方回転)に挑戦したが、五輪では着地が乱れた。昨季まで現役のラハテラ新コーチは課題克服のために強い味方となる。里谷は「自分で見本を見せられるので、分かりやすいはず」と期待をかけた。

 ラハテラ新コーチも「メダルを2度取ったのだから強い意志があれば勝てる」と4年後のメダル獲得を後押しする。33歳で五輪女王となれば、史上最年長。「今までは五輪直前に集中するといわれていたけど、それを1年1年続ければ、もっと強くなれる」。新コーチに復活の命運を託し、里谷は4年後の「最年長女王」へ向け再び歩きだした。【北尾洋徳】

 ◆里谷の五輪成績

 ▽94年リレハンメル大会 東海大四高2年時に初出場。日本女子スキー史上最高の11位に入った。

 ▽98年長野大会 予選11位からの大逆転で、冬季五輪女子史上初の金メダルを獲得。

 ▽02年ソルトレークシティー大会 銅メダルに輝き、2大会連続メダル獲得。

 ▽06年トリノ大会 予選を9位で通過。決勝ではエアの着地が乱れ、15位に終わり、3大会連続でのメダルを逃した。

[2006年6月21日9時20分 紙面から]

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