このページの先頭



ここから共通メニュー

共通メニュー


ホーム > 北海道 > ニュース


北海道メニュー

世界ノルディックを担当記者3人が総括

 ノルディックスキー世界選手権(札幌)は11日間の戦いの幕を閉じた。日本勢はジャンプ団体で銅メダルを獲得した。距離女子スプリントでは夏見が史上最高位の5位入賞を果たしたが、全体的には低調だった。観客動員も目標から遠く及ばず、閑散としたスタンドが目立った。現場で取材した担当記者が、今大会を検証する。

 ◆日本勢の結果

 村上記者「ジャンプは団体で銅メダルを獲得した。風など幸運が重なったが、4人が平均的に力を発揮したのが大きかった。逆に個人2種目で表彰台を争うことは厳しいという現実を見せつけられた。あるジャンプ関係者が『惨敗すれば少しは反省もしたんだが。海外はさらに進化している』とつぶやいたことが印象的だった」

 小林記者「複合はエース高橋が初戦の個人スプリントのジャンプで転倒。左肩を骨折して離脱したのが最後まで響いた。そのほかのメンバーは小林を除いてW杯Aに出場したことはほとんどなく、選手層の薄さを露呈した」

 松末記者「距離については、女子が確実に世界と近づいている印象を受けた。ただ、男子が地の利を生かせなかった。マイナー競技のため強化費も少なく、全日本でも合宿を組んだのは世界選手権の直前。チーム全体として機能していなかった」

 ◆観客動員と大会運営

 松末記者「距離会場の白旗山はひどかった。競技開始30分前にもかかわらず、スタンドには日本人ファンが1人もいない日もあった。比較的観客の多い週末も選手が所属する企業の関係者が目立ち、一般のファンがそれほどいたとは思えない」

 小林記者「メダリストの記者会見で欧州の記者が『少ない観衆の中でレースすることはどう思う』と皮肉交じりの質問をしていた。欧州では数万人の観衆が集まるのが普通だから珍しかったのだろう。しかし、ノルディックが人気あるのも北欧やドイツなど一部地域。W杯でも閑散とした試合は珍しくない。それより観客動員の目標数を約20万人と想定した組織委員会に問題があったと思う」

 村上記者「観客動員は少なかったが、大会運営は五輪と比較しても良かった。ただ、欧州のテレビ局優先のスケジュールだったため、ジャンプはすべてナイター開催。せっかくの国際的なイベントなのでぜひ小中学生にたくさん見てもらいたかった」

 ◆10年バンクーバー五輪に向けて

 村上記者「ジャンプは伊藤、栃本と2人の17歳が大舞台を経験して明るい材料はあった。今後は葛西、岡部の大ベテランだけではなく、20代半ばの中堅層も出てきてほしい。バンクーバーまで続投するユリアンティラ・ヘッドコーチの手腕が今まで以上に試されることになりそうだ」

 松末記者「距離女子は一応のメドは立った。ただ、選手の高齢化が気になる。夏見は28歳、石田も26歳。スプリントは夏見1人だけという層の薄さもあるだけに、若手育成は急務だ」

 小林記者「ノルディック3競技すべてに言えるが、近年は選手を受け入れる企業がめっきり減った。長野五輪当時と比べると全日本の強化費も少ない。全日本全体が地盤沈下している。簡単ではないが、今後は欧州と同様にクラブチームで活動できるよう、全日本スキー連盟でも何らかの支援をしていかなければならない」

 ○大会アラカルト

 ◆観客動員数 11日間の観客総数は9万2646人。組織委員会の目標約20万人を大きく下回った。1日の最高は、開会式と男女スプリント(札幌ドーム)が行われた初日2月22日の3万1529人。最低は女子10キロフリー(白旗山競技場)が行われた2月27日の850人だった。

 ◆メダル数 日本はジャンプの団体戦の銅メダルのみ。最多はノルウェーの16個(金5、銀4、銅7)で2位のフィンランドの8個を大きくリードした。個人では男子は複合のマンニネン(フィンランド)距離のベルゲル(ノルウェー)距離のイエルメセト(ノルウェー)の2個が最多(それぞれ金2)。女子は距離のクイトゥネン(フィンランド)の4個(金3、銅1)。

 ◆外国勢 複合W杯史上最多の45勝を挙げるマンニネン(フィンランド)が個人スプリントで優勝し、五輪、世界選手権を通じて初の金メダルを獲得。距離男子15キロフリーは、バイアスロン選手のベルゲル(ノルウェー)が初優勝、無名のカルネイエンカ(ベラルーシ)が2位に入る大番狂わせとなった。ジャンプもラージヒルはアマン(スイス)が初優勝。全般的に波乱の多い大会となった。

 ◆日本勢 距離の女子スプリントで夏見が男女を通じて五輪、世界選手権で史上最高の5位入賞。男子の最高成績は50キロクラシカルの駒村の20位。複合の個人種目は91年のバルディフェイメ大会(イタリア)以来の10位以内なし、ジャンプのノーマルヒル、ラージヒルも入賞なしと低迷した。

[2007年3月6日9時12分 紙面から]

関連情報

最新ニュース

記事バックナンバー

芸 能


このページの先頭へ