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格差超える近未来の差別

<連載・借りて見!シネマ「ガタカ」>

 1997年に公開されたSFサスペンスだが、今見ても面白い。古さを感じさせないばかりか、私個人の好みで言えば、この10年間に見た同ジャンルの映画の中で「ガタカ」を超える作品はなかった。

 舞台は遺伝子操作が進んだ近未来。生まれた瞬間に血液検査で寿命が分かり、人間は遺伝子の優劣によって「適正者」と「不適正者」に差別される。

 怖いよねー。テストで偏差値なんか出さなくても、生まれながらに運命が半分決まっちゃうんだから。

 で、宇宙局「ガタカ」への就職など、不適正者には手の届かない夢。どうしても宇宙飛行士になりたい主人公は、他人のIDを買って「適正者」に成り済ます。検査用の血液や尿まで提供してもらい、職場では、自分の体毛ひとつ落とさないよう注意を払うが…。

 主演はイーサン・ホーク、恋人の同僚役にユマ・サーマン、主人公に協力する半身不随の「適正者」にブレーク前のジュード・ロウ。「演技のできる美男美女」の役者がそろった。未来の建築物や進化した検査機器など、美術も素晴らしい。

 これを見ると、たとえどんなDNAを持って生まれたとしても、本人の努力次第で道が開ける現代社会は、それだけで恵まれているのでは、と思えてくる。誕生前に生命の操作が可能な医学の進歩は、不要かも。

 いろんな意味で「ひょっとしたらあるかも知れない」近未来を、スタイリッシュな映像で描く。(Y)

 ◆ガタカ 監督=アンドリュー・ニコル/主演=イーサン・ホーク/106分/発売元=ソニー・ピクチャーズエンタテインメント/定価1980円。

[2007年8月4日9時21分 紙面から]

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