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新10ウォンも厄介者扱いに逆戻り

左は旧10ウォン、右は新10ウォン
左は旧10ウォン、右は新10ウォン

<連載・水野俊平の韓流おもしろ雑学>

 韓国の貨幣単位は「ウォン」。紙幣は日本と同じく1000、5000、1万ウォン、硬貨も日本と同じく1、5、10、50、100、500ウォンがあります。

 1ウォンと5ウォンの硬貨は日常生活でほとんど見ることがありません。10万ウォン札の発行が論議されているくらいなので、価値が低く使い道がないのです。小銭の最少額として使われるのはもっぱら10ウォンですが、釣り銭くらいしか用途がなく、その割にじゃらじゃらと枚数が多いので厄介者扱いです。

 この10ウォンのデザインが昨年の12月18日から替わりました。金属価格の高騰が原因で、新10ウォンは直径が4ミリ減り、材質も黄銅からアルミニウムの銅メッキになりました。重さも軽くなり、日本の1円玉のようになって、吹けば飛ぶほど。発行当時はなぜか大人気で、新10ウォンを大量に買い集めようとする人がいたり、ネット上で高値となったりしました。その理由は新10ウォンが年末、それも年も押し迫ってから発行されたため、「2006」という年号が刻まれた10ウォンは大変な希少価値があるためです。

 さて、新10ウォン発行から8カ月たちましたが、思いも寄らない問題が起こっています。新旧交代前はあれほどまでに厄介者扱いされ、交代後はあれほどまでにもてはやされた10ウォンが、このごろはさっぱり流通していないのです。そんな状況になって、困っているのは銀行です。10ウォンが流通していないので、両替業務に支障を来しているのです。

 さらに困るのは10ウォンでお釣りを出さなければならない小売業の人たちです。毎日10ウォンをかき集めるのに大変な苦労をしているとか。どうして10ウォンが流通していないのかというと、使い道がないからです。新旧交代前にも10ウォンは自動販売機くらいにしか使い道がなかったのですが、新しい10ウォンは自動販売機では使えないのです。なぜか? 新しい10ウォンが使えるようにするための機種変更が行われていないためです。

 機種変更をするとなると莫大(ばくだい)なコストがかかるのは必至。というわけで、新しい10ウォンはそのまま各家庭に眠ったままです。現時点では国民に10ウォン使用を呼び掛けるしか対策はないとか。それもこれも、すべて国際的な金属価格の高騰のためです。日本としても対岸の火事ではないのかも。

 ◆水野俊平(みずの・しゅんぺい) 1968年(昭和43)1月5日生まれ、室蘭出身。北海商科大教授。登別南高(現登別青嶺高)-天理大朝鮮語学科。90年に渡韓し、全南大大学院国語国文学科博士課程修了後、同大の日本語講師に。05年帰国、現在は札幌在住。CS放送フジテレビ「韓タメ!DX」に出演中。

[2007年8月31日9時25分 紙面から]

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