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ばんえい競馬が廃止、61年の歴史に幕

ばんえい競馬廃止について記者会見する岩見沢市の渡辺市長
ばんえい競馬廃止について記者会見する岩見沢市の渡辺市長

 存廃問題が検討されていたばんえい競馬が、今年度限りで廃止されることが27日、事実上決まった。現行の4市開催をやめ、2市開催案での存続が話し合われていたが、当該市である岩見沢の渡辺孝一市長と帯広の砂川敏文市長がこの日、存続断念を表明した。最高1トンのソリを引くばんえい競馬は46年に公営化され、世界唯一の競馬として北海道遺産にも指定されている。売り上げ回復の打開策がなく、61年の歴史に幕を閉じる。この日は4競馬場のうちの1つ北見で最後のレースが行われた。

 10月に、来年度以降岩見沢と帯広の2市に集約して存続する道を検討し始めたばんえい競馬だが、わずか1カ月で事実上廃止の結論が下された。

 岩見沢市の渡辺市長はこの日午後、市役所で会見し「予想以上の速さで市場規模と発売額が減少し、ばんえい競馬が成立する環境にない。断腸の思いではありますが、存続を断念することとしました」と2市集約案を受け入れず、廃止を表明した。

 一方、渡辺市長から少し遅れて帯広市役所で会見した砂川市長も「1市での開催は困難。現状では廃止もやむなし」と説明。「想定を超えた財政支援があれば、聞く耳を持たないこともないが、現状はそんな提案もないので」と存続不可能との見解を示した。

 ばんえい競馬は91年度に最多の322億8971万円を売り上げた。05年度は半分以下の154億1660万円にまで減少。単年度収支も98年度から赤字が続いている。昨年度から再建5カ年計画に取り組むが、いきなり約7億円の赤字を出した。累積赤字は約31億6000万円に上る。

 低迷打開のため、現行の4市のうち、北見と旭川を取りやめ、2市開催がまとめられ、存続に前向きだった帯広が、岩見沢に共催を提案していた。両市が断念したことで、今後12月中旬までに、4市の市長会議で廃止を正式に確認する。

 今週12月2日からは、帯広開催がスタートする。今年度は来年3月26日まで開催予定だが、最後まで続行できるかどうか微妙。運営する市営競馬組合は3月31日に解散することが決定している。払戻業務(レース日から60日間)などを考えると、業務が新年度にまたがないように、年度途中での打ち切りの可能性もある。砂川市長は会見で「有終の美を飾ってほしいという思いもあるが、あとは組合さんなどの意思もあるので」と厳しい表情で語った。

 ○ばんえい競馬の歴史

 ◆1947年(昭和22) 農耕馬の祭典として定着していたが、地方競馬法制定の翌年、北海道馬匹組合連合会主催で岩見沢と旭川で開催された。

 ◆49年 道が主催する公営となり旭川、岩見沢、小樽、帯広、北見、室蘭の6カ所で実施。

 ◆53年 51年の競馬法改正で、この年から旭川、岩見沢、帯広、北見の市営競馬が発足した。

 ◆63年 旭川競馬場がU字から直線コースに改善。68年までに他場も直線コースに変更。

 ◆68年 開催業務の支援団体として北海道市営競馬協議会が発足した。

 ◆86年 キンタローがばんえい史上初の賞金収得額1億円を突破。

 ◆89年(平成元) 4市で北海道市営競馬組合を設立。

 ◆90年 金山明彦騎手がばんえい界初の通算2000勝達成。

 ◆96年 岩見沢のイベントで現役馬がインド象と対決し話題になる。

 ◆97年 ばんえい界初の女性ジョッキーとなる辻本由美騎手がデビュー。

 ◆05年 ばんえい競馬を題材にした映画「雪に願うこと」が、東京国際映画祭で4冠を獲得した。

 ◆06年 谷あゆみ厩務員が前年の調教師試験に合格し、ばんえい界初の女性調教師が誕生。

[2006年11月28日9時18分 紙面から]


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