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サンツェッペリン牧場の夢乗せ皐月賞出走

- 前走のスプリングSを使って体調急上昇のサンツェッペリン
異色の生い立ちから、ビッグドリームをつかむ! 中央競馬の皐月賞(G1、芝2000メートル、1着賞金9700万円)が15日、中山競馬場で行われる。1月の重賞・京成杯を勝ち大一番に臨むサンツェッペリン(牡3、美浦・斎藤誠厩舎)は、珍しい軽種馬と重種馬の兼業経営をする日高町の道見牧場で生まれた。1頭数千万円の価格が珍しくない競走馬の世界で、同馬は若駒時代に100万円で取引された。小さな牧場から、大きな夢が膨らんでいる。
サラブレッドの隣の放牧地に、体重が2倍はあろうかという重種馬がいる。サンツェッペリンは若駒時代、そんな環境で育った。道見牧場は現在、サラブレッドの繁殖牝馬6頭のほか、重種馬も16頭飼養している。道見忠信場主(55)が妻久子さん(55)と2人で世話している。道見場主は「まさか、こんな馬が出るとは」と話す。同世代約8000頭の中で18頭しか出られない舞台。感慨もひとしおだ。
1月の京成杯優勝は、牧場創設以来初の中央重賞優勝だった。アラブで25勝を挙げ地方競馬の年度代表馬にもなったケイエスヨシゼン(93年生まれ)を生産しているが、アラブ競走の廃止に伴いサラブレッドの生産に移行した。重種馬の飼養は経営を安定させるための策。京成杯を生産者仲間とテレビ観戦した道見場主は「周りの人が興奮していたよ。みんな苦労しているからね。支えになってくれたかな」と喜ぶ。
縁が重なった。ほかの牧場で生まれ競走生活を終えた母プラントオジジアンを、03年春に人を介して譲り受けた。5戦未勝利と実績はない。道見場主は「高い種牡馬は付けてやれない。でも、初子も出さずに終わるのはかわいそうだった」。種牡馬テンビーを交配させ、翌年生まれたのがサンツェッペリンだった。
「体は目立っていた。走るかも」と期待はあったが、セリで買い手はつかなかった。しかし、もう1つの縁が訪れた。日高町で競走馬の育成を手掛ける加藤ステーブルの加藤信之代表が購買。価格は100万円だったが、「落ち着きがあって手を煩わしたことはなかった。学習能力も高い」(同代表)。能力を見いだされ、中央デビューを果たした。
道見場主は15日、初めて競馬場で応援する。「高い繁殖牝馬を買えない牧場にもチャンスがある。無事が一番だが欲を言えば勝って周りに希望を与えられれば」と言う。牧場に夢をもたらす走りを期待している。【松末守司】
◆軽、重種馬とは 馬の種別のことで軽種馬は主に乗用や乗用の馬車を引く目的で改良された品種。一般的にサラブレッド、アラブ、アングロアラブ、アラブ系種、サラブレッド系種の5種類を指す。日本には約10万頭の馬がいるが約6万頭が軽種馬といわれている。
重種馬は馬車けん引などの農耕を目的として品種改良されたもの。純血種としてペルシュロン、ベルジュアン、シャイヤー、クライズデールなどがある。ばんえい馬も重種馬に分類される。
◆競走馬の価格 売買形態はセリ市場と、庭先取り引きと呼ばれる個人売買がある。セリ取引馬は価格が公表されている。今年の皐月賞のメンバーでは、4戦4勝で前日オッズで2番人気に支持されたジャングルポケット産駒のフサイチホウオーが当歳時のセリで1億円で落札された。同セールでアサクサキングスが7100万円。ここまで5戦3勝の成績を挙げているマイネルシーガルは当歳時のセリで640万円だった。
[2007年4月15日9時28分 紙面から]
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