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原点は自宅押し入れ/映画監督・林徹

映画製作を笑顔で振り返る林監督
映画製作を笑顔で振り返る林監督

<連載・新春ピープル07映画「大奥」を手掛けた林徹監督(47=美唄出身)>

 現在公開中の映画「大奥」が初の映画監督作品となったのが、美唄市出身の林監督。テレビドラマでは数々の人気作品を手掛けてきたヒットメーカーが、総製作費約20億円の超大作で映画監督デビューを果たした。

 「大奥」は江戸城大奥を舞台に女性たちの愛憎劇を描いた作品で、主演仲間由紀恵をはじめ高島礼子、浅野ゆう子、松下由樹らそうそうたるメンバーがそろう。

 「以前とキャラがかぶらないようにとこだわりました。松下君は(ドラマ版で)春日局役をやったので、また同じカツラなら春日局に見えちゃうし、高島さんにしても同じ。考えられるのはずきんしかなかった。見た目で白、赤の“Wずきん”でいこうという感じで。法心院役の木村多江さんも、杉田かおるさんとかこれだけ悪役が出てくれば『まゆ毛薄くするしかない』と言って、あの怖いまゆ毛にして。男性陣も、全部前の役と必ず違う役柄にしたんですよ」

 「懐が深いでしょ」と笑うほど、時代劇からトレンディードラマまで、作品は多岐にわたる。

 「北海道を舞台にした(連続ドラマの)みにくいアヒルの子は、北海道にこだわって主題歌を松山千春さんに直談判した。“オレはドラマの歌は書かねえんだよ”と言っていた人が、ボク北海道出身なんですよって言ったら落ちましたね(笑い)。“北海道に悪いやつはいねえ”というふうに意気に感じてくれて(主題歌の)『君を忘れない』を書いてくれました」。

 人気ドラマをつくり出すための答えは明確だった。

 「1つ言えることはつくり手側が面白がってつくっているかどうかが大事。つくらされているならやってもダメですよ。生活のために撮っているつもりは本当にないし、これでお金もらっていいのって。天職だと言い放っていますから」。

 美唄東高時代は、柔道部、軽音楽同好会、小型映画同好会にいた。映画の原点は美唄にあるという。

 「中学時代に父親の8ミリカメラを借りて、友達3人で撮ったコメディーの小話を映像化したものを、押し入れで編集機を回して見ていた。面白くて涙流しながら1人で笑っていた。映画の卵が産まれたのは押し入れの中なんですよね。編集機で見てた映像がボクの映画の原点ですね」。

 10月に大奥が舞台になるが、基本はテレビディレクターとしてのドラマ制作が中心になる。

 「林徹の2文字を見たときは必ず損はしないドラマをつくっていますよということですね。将来はカンヌ(映画祭)の赤じゅうたんを踏みたいものですね(笑い)」。

 ◆林徹(はやし・とおる) 1959年(昭和34)12月20日、美唄市生まれ。旧美唄東高(現美唄高)から大阪芸大映像計画学科卒業。フリーの助監督を経て91年の「101回目のプロポーズ」で連続ドラマ監督デビュー。「悪魔のKISS」「この世の果て」「妹よ」などの人気ドラマを演出。96年フジテレビ入社後も「みにくいアヒルの子」「ナースのお仕事」などを手掛けた。現在、編成制作局ドラマ制作センター専任部長を務める。

[2007年1月7日8時49分 紙面から]


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