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映画版「クレヨンしんちゃん」は最高傑作

<連載・借りて見!!シネマ「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ! 戦国大合戦>

 しんちゃんかよ、と小バカにしてはいけない。近年の映画版「クレしん」は、コアな映画マニアの間で「大人もハマる」と評判の秀作ぞろいなのだ。中でも最高傑作との呼び声高いのが、14作目「嵐を呼ぶモーレツ! オトナ帝国の逆襲」と、この10作目「戦国大合戦」。…ホントだってば。

 そりゃあ、しんのすけならではのお下品でおバカなお笑いもた~っぷりちりばめてあるが、この作品が異色なのは、美しい水辺に姫君がたたずむ冒頭シーンから、全編になんとも言えない情緒が漂っているところ。身分違いの下級武士に恋心を寄せながら、気丈にクールに振る舞う姫のいじらしさ。姫を愛しながら、それを少しも口に出さずに仕える当の下級武士のおとこ気。今回ばかりはさすがのしんちゃんも、2人をけなげに見守っちゃったりする。

 あそうそう、物語は、戦国時代の春日部(住んでるところ)にタイムスリップしてしまったしんのすけファミリーが、仲良くなった人々を救おうと合戦に加勢するって話。戦場をマイカーで駆け回ったりと時代考証はめちゃめちゃだが、けっこうスカーッとする。

 また、しんのすけが武士たちに語って聞かせる未来(現代)の姿を聞いて、新鮮に「イマって、やっぱいいな」と実感できたりもする。いろいろモノがあり、おいしいものがあり、合戦がなく、自由恋愛で。

 物語のラストに、「ええっ、ハッピーエンドじゃないのかよ!?」という展開が待っていて、これが胸にぐぐっ…。いいから1回見てみてよ。(S)

 ◆映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ! 戦国大合戦 監督・原恵一/声の主演・矢島晶子、ならはしみき/2002年/98分/バンダイビジュアル/DVDは3990円。

[2007年6月16日9時15分 紙面から]

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