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“500万円の男”札幌ダビが昇格弾/J2

前半43分、同点ゴールを決める札幌FWダビ(撮影・黒川智章)
前半43分、同点ゴールを決める札幌FWダビ(撮影・黒川智章)

<J2:札幌2-1水戸>◇第52節◇1日◇札幌ドーム

 500万円の男が、大一番で最高の仕事をした。コンサドーレ札幌のブラジル人FWダビ(23)が、最終節のホーム水戸戦で2得点を挙げた。前半43分に同点弾、後半38分には決勝ゴールをたたき込んだ。今季17得点はダントツのチーム得点王で、J2得点ランクでも6位。来日1年目、年俸わずか500万円(推定)ながらコストパフォーマンスは高かった。来季の契約継続は確実で、J1でもエースとしてチームをけん引する。

 目の前に広がる赤と黒のスタンドが、ぼんやりとしか見えない。涙でかすんでいた。試合後のヒーローインタビュー。ダビは泣いていた。込み上げてくる感情が抑えられず、声が出てこない。一呼吸置いて、小声で言うのが精いっぱいだった。「人生で一番大事な瞬間をチームメートと喜び合えることを誇りに思う」。チーム得点王の目は真っ赤だった。

 独り舞台だった。0-1の前半43分。ゴール前中央のMF砂川が胸でトラップしたボールをかっさらい、右足を思い切り振り抜いた。貴重な同点弾。後半38分にはゴールから30メートルの位置でボールを受け、突進した。1人かわし、今度は左足で決めた。「他のチームの結果は知らなかったけど、2点目で昇格できると思った」。今季16、17点目を、これ以上ない場面で決めた。

 まじめでひたむき。実績はさほどなかったが、クラブ側は獲得に踏み切った。今季J2得点王となった東京VのFWフッキから背番号「10」を受け継いだが、年俸は昨季フッキにかかった費用の6分の1、わずか500万円。そんな“格安”助っ人が、見事なパフォーマンスをシーズンを通じて披露した。「日本のサッカーを吸収し、ボールをもらう前の動きなど成長した。まだまだ伸びる」。ブラジルまで渡ってダビを見いだした三上強化部長も満足げだ。

 来日1年目。ホームシックにかかってもおかしくないが、日本の文化に積極的に触れることで寂しさを紛らわした。実はアキバ系だ。9月にスカイパーフェクTVのアニメ専用チャンネルに加入、ドラゴンボールに大興奮した。テレビゲームのレベルはチーム1位、中でもマリオカートのレベルはずば抜けている。来日当初からゲームソフトを集め、約100本を所有する。ピッチに集中するため、遊びでも向上心を忘れなかった。

 外国人4選手の中で唯一、来季残留が確実になっている。この日の試合後には、早くもJ1の舞台をイメージしていた。「J1はJ2より、ボールをつないで展開する。J1で残留できるように戦いたい。アジアチャンピオンの浦和と対戦したいと強く思っている」。来季も進化が期待されるエース。伸びしろはまだまだある。【長島一浩】

[2007年12月2日9時34分 紙面から]

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